と思っても、実際に「辞めます」と言うのは想像以上に難しいものです。
看護師は人手不足が当たり前で、「辞めるなんて言いづらい」「迷惑をかけてしまう…」と感じる人は多いです。
しかし、あなたが自分の人生を変えようとしていることは、決してわがままではありません。
円満に辞めるためには、「感情」ではなく「手順」で動くことが大切です。
本記事では、私自身の経験もふまえて、仕事を辞める意思を上手に伝えて、トラブルなく退職日を迎えるための現実的な流れをまとめました。
辞めたいと言いづらい理由
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看護師は人手不足が当たり前の職場が多く、「辞めます」と言い出すこと自体がとてもハードルに感じやすい環境です。
実際、辞めたいと思ってもなかなか行動に移せない人は多いです。
主な理由は以下のとおり
人手不足で「抜けられない空気」がある
常に誰かが忙しそうで、「ここで自分が辞めたらもっと大変になる…」と感じやすい環境です。
上司や先輩に相談しづらい職場文化
看護師の世界は上下関係がはっきりしているため、「言ったら怒られそう」「引き止められそう」と考えてしまいがちです。
同僚への申し訳なさや罪悪感
一緒に働いてきた仲間を置いていくように感じてしまい、自分だけが楽になるようで言い出しにくくなります。
「辞める=迷惑をかける」という思い込み
しかし、実際には人は誰でも退職します。あなたが辞めることは、職場にとって「想定内の出来事」です。
自分の気持ちにまだ確信が持てない
「本当に辞めていいのかな…?」と迷いがあると、余計に言い出すタイミングを逃しやすくなります。
しかし、仕事を辞めることはあなたの権利です。
迷惑をかけてはいけない、という思いが強いほど言い出しづらくなりますが、辞めたいと思った気持ちは確かなサインです。
ここからは、円満に辞めるための現実的な手順を、順番に整理していきます。
円満に辞めるための基本スタンス
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円満に退職するために大切なのは、**感情ではなく「事実」と「方向性」で話すこと」です。
不満や愚痴だけを前面に出してしまうと、対立や引き止めの原因になります。
ポイントは、相手を否定せず “自分の選択” として伝えること。
不満ではなく「今後のキャリア」を理由にする
「人間関係が嫌だから」よりも、「自分が目指したい働き方に進みたい」という伝え方がスムーズです。
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上司を敵にしない
「○○さんの指導が嫌だった」ではなく、「自分の方向性が変わった」という“自分軸”で話すと受け入れられやすいです。
退職は“相談”ではなく“決定”として伝える
「辞めようか迷っていて…」→ 引き止めが始まる
「退職することを決めました」→ 話が進む
という違いがあります。
伝えるときの例文
ポイントは 「決めました」 を入れること。
これがあるだけで、引き止められる可能性が大きく減ります。
退職のタイミングはいつがいい?
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看護師の退職は、1〜2ヶ月前に申し出るのが一般的です。
ただし、病棟の状況や引き継ぎ内容によって前後するため、「職場が落ち着いてから…」と先延ばしにする必要はありません。
退職のタイミングを決める際に、考えておきたいポイントは以下のとおりです。
• 就業規則の「退職は◯日前までに申し出る」を確認する
多くは「1ヶ月前まで」ですが、病院によって異なります。
• 夜勤のシフトや担当業務を見て、引き継ぎがしやすい時期を選ぶ
とはいえ、完璧なタイミングは存在しません。
• 心身が限界の場合は、最優先で退職を進めてOK
無理を続けて体調を崩してしまうと、復職にも影響が出ます。
「年度末まで頑張ったほうがいい?」「年度末までいたほうがキリがいい」「新人が入ってくるまで待ったほうがいい」
と考える人は多いですが、それはあくまで職場側の都合です。
あなたの心と体が壊れてしまったら意味がありません。
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結論
退職のベストなタイミングは「辞めたいと思ったとき」から逆算して決めて大丈夫です。
大切なのは「誰かのため」ではなく、自分がこれ以上つらくならない選択をすることです。
上司に退職を伝える現実的な手順
退職を伝えるときは、感情ではなく「段取り」で進めるとスムーズです。
いきなり勢いで伝えると、その場の空気に流されてしまいやすいため、まずは準備 → 相談 → 手続きの順で動きます。
① 有給・夜勤の予定をざっくり把握する
「だいたいこのくらいの時期に辞めたい」という目安をつけておくと、話が進みやすいです。
完璧に固める必要はなく、ざっくりでOK。
② 直属の上司に「お時間いいですか」と切り出す
ナースステーションで急に言うのではなく、落ち着いて話せる場所・時間を確保するのがポイント。
声かけ例
③ 最初に「退職する意思は決まっています」と伝える
ここがもっとも重要。
「辞めようか迷っていて…」と言うと、引き止めが始まります。
伝え方のテンプレ
「今後の働き方を考えた結果、退職することを決めました。引き継ぎは責任を持って進めたいと思っています。」
役職をもっていなかったり、委員会などで主要なポジションにいなければ、引き継ぎも特にはないでしょう。
④ 退職日と引き継ぎについてすり合わせる
- 引き継ぎ内容
- 有給消化の予定
- 夜勤の調整
を話し合います。
感情ではなく、淡々と「日程の話」に移行するのがポイント。
有給についても「全部使うのはちょっと…」と言われる場合もありますが、有給の使用は労働者の権利なので全部使って大丈夫です。
できる限り円満に退社したいけど有給も使いたい場合は、多少病院側の都合に合わせて有給を取得するということで落としどころを作ってもいいでしょう。
⑤ 退職届や書類を提出する
職場によって提出先は主任・師長・事務で異なるので、指示に従えばOK。
難しいことはありません。
ポイント
- 「相談」ではなく 「決定」 として伝える
- 丁寧な言葉と落ち着いたトーンで話す
- 敵を作らない
これでほとんどのケースは問題なく進みます
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引き止められたときの対応
退職を伝えると、多くの場合、何かしら引き止めはあります。
しかし、そこで迷ってしまうと、退職が先延ばしになってしまいます。
引き止めに対して大切なのは、一貫して「退職の意思は決まっている」という姿勢を保つこと。
やわらかい言い回しでOKなので、芯だけはブレないようにします。
返し方の例
「人が足りないんだよ」
「もう少し様子を見ない?」
「配置換えするから続けない?」
「辞めたら後悔するよ」
「◯月まではいてもらえない?」
ポイントは、「共感 → でも退職は変わらない」の流れ。
否定や反論をしなくても、意思が固いことはじゅうぶん伝わります。
迷いが出てしまうときは?
引き止めに気持ちが揺れるのは普通です。
ただし、退職の話し合いはあなたの人生に関わる場面です。
- 「本当は辞めたい」
- 「でも言いにくい」
- 「申し訳ない」
この3つが同時にあるときは、自分の心と体を守ることを最優先でOK。
ここで無理をすると、また同じ悩みを繰り返します。
心身が限界で、どうしても言えない場合
もしすでに体と心がしんどい状態なら、第三者に頼る選択肢があります。
「もう上司の顔を見るのもしんどい」「自分で言うと押し切られそう」
という場合は、退職代行を使うことで、職場に一切連絡せず辞められます。
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心身が限界で言いづらい場合の選択肢
「辞めたい」と思っていても、体力やメンタルがすでに削られていると、上司に話すこと自体が大きな負担になります。
- 朝から動悸がする
- 休日前なのに気が重い
- 職場を考えるだけで涙が出る
- 相談どころか口を開く気力もない
こうした状態のとき、自分で退職交渉をしようとする必要はありません。
そんなときは「第三者に任せる」という選択肢があります。
退職代行を使うと、あなた自身は職場に一切連絡しなくても大丈夫です。
- 電話・LINE→すべて代行が対応
- 上司の引き止め・圧力を受けずに辞められる
- 有給や退職日の調整も代行がサポート
「逃げ」ではなく、心身を守るための現実的な手段です。
実際に利用した人の声として多いもの
(20代・女性)
罪悪感より、まず生活を立て直せたことが大きかった
(30代・男性)
あの日会社に行かなくてよくなった瞬間、呼吸が楽になった
心が壊れてから立ち上がるのは、想像以上に時間がかかります。
限界を超える前に、休息を優先することはとても大切です。
退職後にやるべきこと
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退職が決まったら、次は「生活を整える → 次の仕事を選ぶ → 動き出す」の順で進めると迷いません。
焦って行動しなくて大丈夫。まずは、自分の心と体を元の状態に戻すことが最優先です。
① しっかり休む(まずは心身の回復)
退職直後は、思った以上に疲れが一気に出ます。
「こんなに休んでいいの…?」と思うくらいでちょうどいいです。
- 生活リズムを整える
- 睡眠の質を戻す
- 食事と運動をゆっくり回復
休むことは「次のスタートの準備」です。
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② 公的制度やお金周りを確認する
無職期間がある場合でも、生活が崩れないように、使える制度はきちんと使ってOK。
• 傷病手当金
(うつ・適応障害などで休職扱いができる場合に有効)
• 失業保険
離職理由によって受給時期が変わるので確認する
• 国民健康保険・国民年金の切り替え
市役所で手続き可能
難しい手続きは一つもないので、落ち着いたタイミングでゆっくりやればOK。
③ 次の働き方を決めるために情報収集を始める
退職した直後は「次はどうするべき?」と焦りがちですが、ここで無理に就職先を決める必要はありません。
まずは、自分がどんな働き方なら心が軽くなるかを整理します。
- 夜勤なしで働きたい
- 美容クリニックに挑戦したい
- 病棟を離れてクリニック/健診に行きたい
- ゆったり働ける療養・老健に興味がある
方向性が見えたら、転職サイトで求人を見てみるだけでも十分です。
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まとめ
看護師の仕事を辞めることは、決してわがままではありません。
ただ、「辞めます」と口にするまでのハードルが高いだけです。
- 人手不足で言いにくい
- 迷惑をかける気がしてしまう
- 上司に引き止められそうで不安
こうした気持ちを抱えるのは、あなたが 責任感のある人 だからこそです。
しかし、あなたの人生は「職場の都合」ではなく、あなた自身が決めていいものです。
退職は、感情ではなく手順で進めれば大丈夫。
一つずつ進めていけば、必ず次に進めます。
- 退職の意思を明確にする
- 上司には「決めています」と伝える
- 引き止めには一貫した姿勢で対応する
- 心身が限界なら第三者に任せてもいい
- 退職後は、まず休んで、次の働き方を選べばいい
あなたが「辞めたい」と思った気持ちは、これからの人生をより良くしていくためのサインです。
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