「もう辞めたい…」と思うたびに「これは甘えなんじゃ…」と自分を責めてしまう。
そんなふうに感じている看護師さんは、決して少なくありません。
看護師の仕事は、責任も大きく精神的にもハード。
それなのに、「甘えてる」「すぐ辞めるなんて根性がない」など、厳しい言葉にさらされることもあります。
だからこそ、自分の本音を誰にも言えず、限界がわからなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。
本記事では、「辞めたい」という気持ちと「甘え」の違いを明確にしながら、あなたが今どんな状態にいるのかを整理し、次の行動に自身を持てるようなヒントをお届けします。
最後には、実際に相談できるサービスも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
看護師を辞めたい=甘えと言われる理由とその誤解
そもそも「甘え」とはなにか
多くの場合は「まだやれるのに逃げている」とみなされる状態を指します。
しかし、その“まだやれる”の基準は人によって大きく異なり、他人の物差しで語られることがほとんどです。
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看護師という職業の”特殊さ”と負担
看護師の仕事には、一般的にはない身体的・精神的ストレスが伴います。
それにも関わらず、現場では「続けるのが当たり前」「辞めたいと思うのは甘え」といった空気が根強くあります。
看護師は命を預かる責任・人手不足・夜勤・人間関係など、他種職に比べ負担が重いことが多いです。
だからこそ、「辞めたいと思ってしまうこと」自体が普通に選択肢としてでてもおかしくないのです。
辞めたくなる理由には”正当性”があるケースも多い
実際の離職理由上位に「人間関係」「身体的負担」「精神的限界」などがあります。
例えば、慢性的な人手不足によって休憩も満足に取れず、毎日ミスとの恐怖と戦っている。
そんな状況で「辞めたい」と感じることは”甘え“ではなく”自然な防衛反応“とも言えます。
自分を責めるより、「自分はどうしたいか」を整理するほうがより良い方向にむかいやすいです。
「甘え」ではなく「自分を守る選択肢」かもしれない
今の気持ちは、逃げでも甘えでもなく”限界を知らせるサイン”かもしれません。
“頑張る”と”無理をする”の違いをまず知ることが自分を守る第一歩になります。
看護師を辞めたくなる理由と”甘え”では片付けられない現実
辞めたいという気持ちをただの「甘え」で片付けてしまうと、自分自身をくるしめることになりかねません。
ここでは、実際に多くの看護師が直面している「辞めたい理由」を原因別に整理して紹介します。
自分に当てはまる原因を見つけることで、「甘え」ではないという納得感を得られるかもしれません。
業務量と責任の重さに限界を感じている
看護師の仕事は「命」に関わる責任が常につきまといます。
時間内に終わらない記録、スタッフ間の連携、急変対応。
肉体的にも精神的にも限界を感じ、「もう無理かも」と思うのはごく自然な感情です。
人間関係に悩まされている
先輩との関係がうまくいかない、プリセプターとの相性が悪い、陰口や派閥がある。
職場の人間関係がストレスの根源になっている場合、それは「甘え」ではなく明確な退職理由になります。
夜勤やシフト制による生活リズムの崩壊
夜勤の連続、日勤・夜勤の繰り返しによって体内リズムが崩れて睡眠障害になることも。
「常に疲れている」「休みがあっても回復しない」そんな状態では辞めたくなるのも当然です。
看護師という職業が自分に合っていないと感じる
「患者さんと上手く関われない」「処置や手技がどうしても怖い」など、根本的に看護師が向いていないのでは?と感じるケースもあります。
これは”キャリアの自己分析”の一環であり、「逃げ」ではありません。
労働条件が合っていない・待遇に不満がある
「給与の割に仕事が重すぎる」「休みが少ない」「昇給が見込めない」など、労働条件や待遇に不満があると、やる気も気力もすり減ります。
転職で改善できる場合も多いです。
看護師は”辞めることが甘え”で片付けられない職場がたくさんある
辞めたい理由は人それぞれですが、その多くは「甘え」ではありません。
過酷な環境の中で精一杯頑張ってきた結果、限界を迎えているだけなケースがたくさんあります。
だからこそ、自分を責めずにどうすれば今より楽になるかを考えていきましょう。
辞めたい理由を整理して前に進む5つのステップ
ステップ①今の「辞めたい」という気持ちを書き出してみる
まず「辞めたい」と感じている理由をすべて書き出してみましょう。
例えば、「夜勤がきつい」「上司が苦手」「看護師に向いていない気がする」など。
自分の本音を見えるようにするだけでも、モヤモヤが晴れます。
例として
- 人間関係が悪い
- お局からの嫌がらせ
- 業務量が多い
- 残業が多い
- 業務が覚えられない
- 必要な知識が多すぎて辛い
- 夜勤やオンコールが辛い
- 命を預かるというプレッシャー
など、辞めたくなる理由はいろいろあるし、一つではないと思います。
ステップ②辞めたい原因を変えられるか変えられないかで分けてみる
書き出した理由を、「環境を変えれば改善しそうなこと」と「看護師という職種そのものが合わないかも」に分けてみましょう。
例えば、人間関係や夜勤が辛いは職場を変えることで改善される可能性があります。
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ステップ③理想と現実のギャップを把握する
ステップ④信頼できる人に相談してみる
同僚・先輩・家族など、安心して話せる人に今の気持ちを話してみましょう。
あるいは、看護師専門の転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
プロの視点で「向いている職場」や「条件に合う求人」を提案してくれることもあります。
ステップ⑤選択肢を整理して「辞める」「続ける」「動き出す」を決める
今の気持ち・原因・理想・周囲の声を整理したら
- 今の職場で改善を試みる
- 別の職場を探してみる
- 一旦休職してリフレッシュしてみる
など、選択肢が見えてくるはずです。
完璧な答えがなくても、まずは動き出すことが一歩目になります。
甘えかどうか悩んでいる時点ですでに真剣に向き合おうとしてる
本当に甘えがある人だと、甘えかどうかで悩まず退職や休職していると思います。
ちゃんと向き合おうとしている時点で「甘え」ではありません。
大切なのは、自分の人生を納得いく方向に進めることです。
苦しさを我慢するより、「変える勇気」を持つほうがよほど強さが必要です。