看護師として働いていたけれど、結婚・出産・子育て・介護などで現場を離れてしまった…。
そんな悩みを抱える看護師さんは少なくありません。
実際に、厚生労働省の調査では**「看護師の約6割が復職の意欲あり」**と答えており、医療現場でもブランクのある看護師を求める声は増えています。
本記事では、ブランクありでも働きやすい看護師の転職先5選と、各職場で受けられる復職支援の実態をわかりやすく解説します。
「どんな職場なら安心して復帰できるのか?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
ブランクのある看護師が抱えやすい不安
ブランクがある状態で再び現場に戻ろうとすると、多くの看護師さんが共通して次のような不安を抱きやすいです。
医療知識や技術の遅れ
新しい医療機器や電子カルテの操作など、現場の進歩についていけるか不安。
手技への自信喪失
採血・点滴・バイタル測定など、以前できていた処置をスムーズにできるか心配。
家庭との両立
子育てや家事との両立が本当に可能なのか、シフトの融通がきくかどうかが気になる。
人間関係への不安
長く離れていた分、職場の雰囲気に馴染めるか、若い世代とのギャップがあるのではと不安になる。
こうした不安は自然なものですが、実際には「ブランク歓迎」の求人や復職支援が充実した職場を選ぶことで、多くが解消できます。
再就職している看護師はどこを選んでいることが多い?
令和3年度の再就業者調査によれば、復職後の勤務先は”病院”が33.0%と最多、続いて”福祉系施設”16.0%、”診療所”9.6%という結果でした。
引用元:公益社団法人 千葉県看護協会 令和3年度看護職の再就業者実態調査結果の概要(PDFはこちら)
ブランクありでも働ける看護師の転職先5選
クリニック(外来のみ)
- 夜勤がなく、残業も少なめの職場が多い
- 採血・注射・バイタル測定など基本的なスキルが中心
- 内科・小児科・皮膚科など、家庭と両立しやすい診療科が人気
介護施設(特養・老健・有料老人ホームなど)
- 急変が少なく、落ち着いた環境で働ける
- 主な業務は健康管理や服薬管理
- ブランク明けでも研修制度が整っている施設が多い
デイサービス・訪問看護
- 利用者の生活支援やリハビリ補助がメイン
- 医療処置が少なく、家庭との両立を重視する方に向いている
- 訪問看護は在宅医療の経験が積めるため、キャリアの幅も広がる
健診センター・検診業務
- 採血・測定・心電図など、ルーティンワーク中心
- 土日休み・定時勤務の職場が多く、家庭と両立しやすい
- ブランクから復帰して手技に慣れるのに最適
美容クリニック
- 未経験でもマニュアルや研修がしっかりしている
- 医療行為は限られ、接遇や説明が中心
- 夜勤なしで高収入のケースもあり、人気が高い
私が美容クリニックで働いた体験談はこちら
ゆうひ今の職場、しんどいけど…美容って自分にもできるのかな?夜勤や人間関係に疲れて、何度も転職を考えました。そんなときに出会ったのが"美容看護師"という働き方でした。とはいえ、最初は「未経験でもやっていける?[…]
転職先5選の比較表
職場タイプ | 想定年収レンジ(万円) | 夜勤 | 月残業目安 | 医療処置の頻度/負荷 | 研修・OJT | 家庭との両立度 | 求人数の豊富さ | ひとこと特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クリニック(外来のみ) | 330〜450 | なし | 5〜15h | 採血・注射・バイタル中心(ルーティン多め) | あり(規模により差) | ◎ | ◎ | 日勤固定が多く、復帰の第一候補 |
介護施設(特養・老健・有料等)※日勤想定 | 350〜500 | 施設によりあり※ | 5〜10h | 服薬・健康管理中心(処置は少なめ) | あり(充実している所が多い) | ◎ | ◎ | 安定需要で間口広い。夜勤なし募集も増 |
デイサービス・訪問看護 | 400〜550 | なし | 5〜15h | デイ:処置少/訪看:処置と判断やや多 | あり(同行OJT多い) | ○〜◎ | ○ | 訪看はスキル回復に◎、デイは負荷低め |
健診センター・検診業務 | 360〜500 | なし | 0〜10h(繁忙期は増) | 採血・測定・心電図などルーティン中心 | あり(手順が定型化) | ◎ | ○ | 手技を取り戻しやすい。土日休み多め |
美容クリニック | 380〜600 | なし | 5〜20h | 医療行為は限定、接遇・説明が中心 | あり(マニュアル・研修がっちり) | ○ | ○ | 夜勤なし×高収入も可。接客適性が鍵 |
※数字は全国的な傾向の仮値です。地域・経験・雇用形態で±50〜100万円ほど変動します。
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ブランク看護師の復職支援の実態
ブランクがある看護師でも安心して復帰できるよう、全国でさまざまな復職支援制度が用意されています。代表的なものを紹介します。
自治体の再就業支援研修
都道府県ナースセンターやナースプラザが主催しており、採血やバイタル測定など基礎スキルを復習できる研修が無料で受けられます。
ナースセンターの公式サイトはこちら
医療機関独自の研修・OJT制度
ブランク歓迎の求人では、先輩看護師がマンツーマンでフォローする体制が整っていることが多いです。
短時間勤務やパートからのスタート
いきなりフルタイムではなく、少しずつ感覚を取り戻せる働き方を選べる求人も多い。
このように、復職支援を活用すれば、ブランクは決して大きなハンデにはなりません。
転職の実際の流れや、実際にかかる期間についてはこちらの記事に詳しくまとめています。
ゆうひ転職を考えているけど、何から始めて何をやればいいんだろう?転職するにあたって見通しがつかないと行動するのも難しいと思います。看護師が転職するときの流れやポイントについてまとめています。こちら[…]
ブランクを乗り越えて働くためのポイント
ブランクからの復帰をスムーズにするためには、次のような工夫が役立ちます。
スキルチェックや勉強をしておく
復職前に採血・点滴の手技を復習したり、最新の医療情報を確認しておくと安心です。
家族とサポート体制を話し合う
シフトや勤務時間について、家族の協力を得られるように事前に相談しておく。
勤務形態を工夫する
いきなりフルタイムではなく、日勤のみやパート勤務から始めるのもおすすめ。
日勤のみの求人について詳しくまとめている記事はこちら
ゆうひ夜勤がつらい…ゆうひ日勤だけで働ける職場に転職したい…そう感じている看護師さんは少なくありません。夜勤は体力的にも精神的にも大きな負担になりやすく、生活リズムが崩れやすい働き方で[…]
転職サイトを活用する
「ブランク歓迎」「復職支援あり」と明記された求人を効率的に探せる。
小さな一歩から始めて徐々に慣れていくことで、不安は自然と和らいでいきます。
まとめ|ブランクはハンデではない
看護師の資格は一生モノです。たとえ数年のブランクがあっても、復職支援や「ブランク歓迎」の求人を選べば、安心して現場に戻ることができます。
- 家庭と両立できる勤務形態を選ぶ
- スキルを少しずつ取り戻せる環境を探す
- 自治体や看護協会の支援制度を活用する
こうした工夫を取り入れれば、ブランクは決してハンデではなく、むしろ「再スタートのきっかけ」になります。
まずは、自分のライフスタイルに合った職場を探し、安心して一歩を踏み出してみましょう。
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