美容クリニックは「華やか」「楽そう」というイメージが先行しがちですが、実際には離職率が高いと言われることもあります。
一方で、長く働き続けてキャリアを伸ばしている看護師も多く、辞める人と続く人の間には明確な共通点があります。
この記事では
- 美容クリニックの離職率が高いといわれる理由
- 辞める人・続く人の決定的な違い
- 良いクリニックを見抜くチェックポイント
- ミスマッチを避けるための具体策
を実体験もふまえてまとめています。
美容クリニックの離職率が高い理由が気になる人の参考になればと思います。
美容クリニックの離職率は高い?
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「美容クリニックは離職率が高い」と言われることがありますが、実際には職場による差がとても大きいのが現実です。
日本看護協会の看護師全体の離職率では約11%ほど。
美容看護師の離職率は業界内では一般に20~30%と言われており、一般的な看護師の離職率(約11%)と比べて高い傾向があります。
病棟と比較すると業務内容や評価基準が大きく異なるため、ミスマッチが起きやすい=離職が目立つ、という側面があります。
とはいえ、すべての美容クリニックで離職率が高いわけではありません。
教育体制が整っていて、スタッフが働きやすいクリニックは定着率が高めです。
美容クリニックの離職率が高く見える主な理由は、次のとおりです。
- 売上・口コミなど“数字で評価される要素が多い”ため、向き不向きが分かれやすい
- 接客の比重が大きく、医療というよりサービス要素が強い
- 施術メニューやマニュアルの変化が早く、適応できないとストレスになる
- 教育体制や人間関係はクリニックごとの差が極端に大きい
一方で、定着率の高い職場には共通点があります。
- 新人教育が体系化されている
- 看護師の在籍年数が長い(1〜3年以上のスタッフが複数いる)
- 口コミや評判が極端に悪くない
- 業務量と給与のバランスが取れている
美容クリニックは「離職率が高い業界」というより“向いていない人が一定数いるため離職が目立つ業界”と言ったほうが正確です。
自分の性格や価値観と合えば長く働ける職場も多く、キャリアとして選ぶ価値は十分にあります。
辞める人の共通点|美容クリニックが合わないタイプ
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美容クリニックは向き不向きがはっきり出る職場です。
実際に辞めていく看護師には、いくつかの共通点があります。
① 数字に追われる環境がストレスになるタイプ
美容医療は「接遇」「売上」「施術スピード」など、数字や成果が明確に可視化される世界です。
病棟よりも“評価が見えやすい”ため、毎日プレッシャーを感じてしまう人は続きにくい傾向があります。
② 医療よりも接客が苦手なタイプ
美容クリニックは医療機関でありながら、業務の多くが接客・カウンセリング・ご案内といったサービス領域です。
患者対応がストレスになる場合、早期に「思っていたのと違う」と感じやすいです。
③ ミスを引きずりやすい・完璧主義が強いタイプ
美容医療は口コミ文化が強く、ドクターも含めて精度が求められる業界です。
小さなミスを過度に気にしてしまったり、気持ちの切り替えが苦手なタイプは精神的に疲れやすくなります。
④ 変化の多い環境に適応しづらいタイプ
施術メニューが増えたり、マニュアルが変わったり、新しい機械が導入されたりと、アップデートの早い業界です。
変化に対応することを負担に感じる人はストレスを抱えやすくなります。
美容医療の業界はまだまだ歴史は浅く、ここ数年でもさまざまな美容施術がでてきています。
そうした変化を楽しいと思えるかもミスマッチを減らすうえでは大事な要素になってきます。
⑤ 教育体制・人間関係でつまずきやすいタイプ
美容クリニックは“制度化”が進んでいない職場も多く、教育方針や人間関係は場所によって差が大きいです。
そのため
- 新人教育が合わない
- 相談しづらい
- 先輩との相性が悪い
など、環境依存の離職も少なくありません。
辞めた人の具体例
私の職場を辞めた人や、私の周りで辞めた人に理由を聞いたところ
(20代・女性)
なんか思ってたより楽じゃない。クレーム対応もやってみて気づいたけど苦手だった。
(20代・女性)
医療知識は増えないし手技も新たに覚えることもほとんどないし、看護師として働いている感じをあんまりしない。
(30代・男性)
自分は訪問のほうがしっくりくるかな。ここで長く続けなくていいかな。
(20代・男性)
売り上げやノルマを意識させられるのが苦手だった。接客はあまり得意ではなかったのかも。
などの声がありました。
どれも、しっかり事前に情報収集をしていなかったからこそおきたミスマッチではないかと思います。
まとめ:辞める理由の多くは「ミスマッチ」
美容クリニックが“悪い職場だから辞める”というより「向き不向きが明確に出る職場だから辞める」ケースが多いです。
こうしたミスマッチを防ぐためにも、実際に働いた体験談を見てみるのをおすすめします!
私が美容にきて感じたメリット・デメリットについてはこの記事で詳しくまとめています!
ゆうひ美容看護師が気になるけどイメージがつかないし働き方も変わるのかな… ゆうひ将来性とかは大丈夫なのかな…美容看護師も気になってはいるけど業務量や給料、将来性など気にはなります[…]
続く人の特徴|美容クリニックに向いているタイプ
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美容クリニックで長く働き続けている看護師には、いくつかの共通した傾向があります。
ここでは、実際に現場で見てきた「続く人の特徴」をまとめます。
① 接客が苦にならない・人と話すのが好き
美容医療では、施術だけでなくカウンセリング・ご案内・説明など、接客の時間が多くなります。
患者さんとの会話に抵抗がなく、コミュニケーションを自然に楽しめるタイプは続きやすいです。
② はっきりした指示系統のほうが働きやすい人
美容クリニックは、業務の流れがマニュアル化されていることが多く、明確な手順や決まりごとがあったほうが動きやすいタイプはフィットしやすい傾向があります。
③ 新しいことを覚えるのが苦ではないタイプ
施術メニューの変更、機械の導入、説明内容のアップデートなど、常に変化がある環境です。
新しい知識や技術を吸収するのに抵抗がない人ほど定着率が高くなります。
④ スピード感のある現場が得意なタイプ
美容クリニックは回転率が重要なため、テキパキ動ける・段取り力が高い人は活躍しやすいです。
一日の業務がテンポよく進むことに心地よさを感じるタイプは向いています。
ゆうひ美容外科に転職したいけど実際どうなんだろう?最近、夜勤のない働き方や高収入を求めて、美容クリニックへ転職する看護師が増えています。私もその一人で、数年前に病棟看護師から美容外科へ転職しました。[…]
⑤ 気持ちの切り替えが早い・必要以上に引きずらない
口コミ文化が強い業界だからこそ、切り替えが早く、感情を長く引きずらないタイプはストレスを溜めにくいです。
完璧主義より「改善して次に活かす」思考のほうが働きやすい傾向があります。
まとめ:向いている人は“サービス×医療”の環境を楽しめるタイプ
美容医療は医療のスキルだけでなく、サービスマインド・コミュニケーション力・柔軟性が求められます。
これらを自然に発揮できるタイプは、長く働きながらキャリアを築きやすいです。
離職率が低い“良いクリニック”を見分けるポイント
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美容クリニックは、職場ごとの差がとても大きい業界です。
離職率が高いクリニックもあれば、看護師が何年も定着しているクリニックもあります。
ここでは、見学や面接の段階で判断できる“良い職場の特徴”をまとめます。
① 新人教育が体系化されている
離職率が低いクリニックは、新人教育の流れが明確です。
- 研修期間は何週間か
- OJT担当がつくか
- 評価の基準があるか
- できる業務の範囲が段階的に決まっているか
教育が整っているほど、新人がつまずきにくい職場といえます。
② 看護師の在籍年数が長い
定着率を見る最もシンプルな指標は、スタッフの在籍年数です。
• 1年以上の看護師が複数いる
• 3年以上のスタッフが在籍している
これらが揃っている場合、環境が安定している可能性が高いです。
③ 口コミや評判が極端に悪くない
美容クリニックの口コミは、患者の性質上どうしても賛否が分かれますが「スタッフの対応が悪い」「看護師がコロコロ入れ替わる」といった声が多い場合は注意が必要です。
スタッフの定着と口コミの質は、意外とリンクします。
④ 業務量と給与のバランスが取れている
“忙しいのに低給与”は離職率が上がる典型パターンです。
一方で、適切に給与が支払われている職場はスタッフの満足度が高く、長く働きやすい傾向があります。
⑤ ノルマの有無・売上のプレッシャーが適切か
美容クリニックは数字文化が強いですが、過度なノルマや毎日の詰めがあるクリニックは離職率が上がりやすいです。
反対に
• チームで売上を見る
• 個人への圧が強すぎない
といった仕組みが整っている職場は、長期的に働きやすい環境です。
まとめ:離職率は“職場選び”で大きく変わる
美容クリニックの離職率は、業界全体の問題というより「職場ごとの差が大きい」という構造が原因です。
良い職場を選ぶだけで働きやすさが大きく変わるため、見学・面接の段階で上記のポイントをしっかり確認しておくことが大切です。
実際に求人を見るときにどこを意識して見ればいいかはこちらの記事にまとめています!
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今の職場を辞める前に知っておきたい“ミスマッチの回避方法”
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美容クリニックは、向いている人にとっては働きやすく、キャリアを伸ばしやすい環境です。
一方で、事前情報が少ないまま転職すると「思っていたのと違う」と感じて早期離職につながることもあります。
ここでは、ミスマッチを避けるために事前に確認しておくべきポイントを整理しました。
① 仕事内容の比率を事前に理解しておく
美容クリニックといっても、職場によって仕事内容の比重は大きく異なります。
- 施術中心のクリニック
- カウンセリング・受付対応が多いクリニック
- 機械施術がメインのクリニック
- オペ介助の多いクリニック
「自分が何をしたいのか」と「そのクリニックが看護師に何を求めているのか」が一致しているほどミスマッチは起きません。
② 面接・見学で“現場の空気”を見る
面接だけでは分からないことが多いため、可能であれば見学がおすすめです。
チェックすべきポイントは以下のとおり。
- 看護師の雰囲気(余裕がある?ピリついてる?)
- 1日の流れのスムーズさ
- 施術室・バックヤードの整理整頓
- カルテの運用方法
- スタッフ同士の声かけの仕方
- ドクターとのコミュニケーション
現場の空気感が「自分に合いそうか」は働くうえでかなり重要です。
美容看護師として内定をもらうためのコツを採用担当の視点も含めてまとめた記事はこちらです。
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③ 数字のプレッシャーの“強さ”を確認する
美容クリニックは数字文化が強いですが、職場によって負荷はバラバラです。
- 個人ノルマがあるのか
- チームで見るのか
- 解釈が厳しいのか緩いのか
自分が耐えられるラインかどうかを面談で率直に確認しておくと後悔しにくいです。
④ 内部情報をプロに聞く(転職サイト併用)
美容クリニックは表から見えない部分がとても多い業界です。
- 離職率
- 教育体制の実態
- 人間関係の雰囲気
- クリニックごとの特徴
- 看護師の在籍年数
これらは個人では集めきれないため、実際の内部事情を把握している転職サイトを併用するほうが安全です。
⑤ 自分の価値観と優先順位を明確にしておく
「なぜ美容で働きたいのか」「何を優先するのか」が明確だと、職場選びで迷いにくくなります。
- 楽な働き方を求めている?
- 高収入を狙いたい?
- スキルよりも人間関係を重視?
- 将来的にどんな働き方をしたい?
価値観を言語化しておくことで、選ぶべき職場が自然と絞れます。
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まとめ:正しい情報と事前準備で“早期離職”は防げる
美容看護師はミスマッチさえ避けられれば、長く働けて収入も安定しやすいキャリアです。
逆に、情報不足のまま職場を選ぶと、「こんなはずじゃなかった…」が起きやすくなります。
しっかり情報収集をしたうえで、自分に合う職場を選べば後悔しません。
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まとめ|離職率の数字より“相性”を見極めることが大切
美容クリニックは「離職率が高い」と言われがちですが、実際には職場ごとの差が大きい業界です。
辞める人には明確な傾向があり、逆に向いている人は長く働き続けてキャリアを築いています。
大切なのは「離職率そのもの」よりも“自分とそのクリニックの相性”を見極めることです。
- 数字や接客にどれくらい抵抗がないか
- 変化の速い環境に馴染めるか
- 教育体制が整っているか
- 現場の空気感が自分に合うか
これらが一致していれば、美容クリニックは働きやすく、収入も安定しやすい職場になります。
もし「どのクリニックが自分に合うか判断しきれない」「内部事情まで把握したうえで転職したい」
という場合は、プロのサポートを使うのがいちばん確実です。
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