看護記録の書き方・記録する際の注意点や不適切な表現とは

 
ゆうひ
看護記録の注意を受けるけど、具体的にどう注意していけばいいかわからない

看護師1年目の時に何度も悩みました。

アセスメントも大事ですが、まずはやってはいけない看護記録の書き方から覚えていきましょう。

そもそも看護記録とは

日本看護協会の看護記録に関する指針では

「看護記録とは、あらゆる場で看護実践を行うすべての看護職の看護実践の一連の過程を記録したものである」

と定義されています。

看護記録記載の基本として

  1. 看護実践の一連の過程を記録する
  2. 適時に記録する
  3. 保健医療福祉サービスの提供に関わる専門職・非専門職や看護を必要とする人と内容を共有できるよう記録する

このことから、曖昧な表現をせず、時間や行った行為を適切に記録する必要があります。

また、多職種や他の職場の職員にも共有できなければならないため、自分だけがわかるような記録の書き方は避けなければなりません。

略語を使う際は、院内の基準に沿ったものを使うようにしましょう。

看護記録記載時の注意点

①正確性の確保

・事実を正確に記載する

・記録の日時と記載者を残す

・追記する場合はいつ、どの箇所への追記かわかるようにする

・看護記録の改ざんはおこなってはいけない

・内容を訂正する場合、訂正した人、内容、日時がわかるようにする

②責任の明確化

・看護を実施した本人が記載する

③客観的に書く

・憶測や個人的な思いの記載は避ける

・根拠のない断定的な表現は避ける

・患者の性格や態度を断定した表現は避ける

④施設内の記載基準を遵守した用語や略語を使う

・施設内で統一した略語を使用する

・用語が示す概念や略語の正式名称が示す意味を十分理解して使用する

⑤必要な情報のみ記載する

・プライバシーに関する事項

・医療チームで共有すべき事項のすみわけ

看護記録を書く上で慣れないうちは、自身の主観的表現や患者に対し否定的な表現を使い記録を書いてしまうことがあります。

不適切な表現になりやすいものを下記にまとめます。

記録を書く際に不適切な表現になりやすいもの

①人権に関わる表現

  • 人権・人格を否定する表現
  • 患者の状態や性格に関する否定的な表現

・○○の信者

・説明してもわからない。理解できない。理解力が悪い。理解力低下

・頑固。気難しい。

・太りすぎている

・しつこく何度も聞いてくる

・たばこを没収する など

患者や患者家族にカルテを開示しても不快に思われないような記録を意識するようにしましょう。

②客観性に乏しく誤解を招きやすい表現

  • 看護師の主観や憶測、決めつけや偏見
  • 状況説明が適切ではない
  • あいまいな表現

・安静を説明したが勝手に動いている

・ナースコール頻回(回数不明)

・訪室時ベットから転落しているところを発見(現場を見ていないため憶測の記録になってしまう)

・必要時介助を行う(必要時がいつかわからない)

・多量、中等量、少量

・汚い色の痰

・苦しそうに見える など

主観と客観の区別は最初はつきにくいかもしれません。

上記の例のような記録をしていないか一度確認してみましょう。

③医療者が優位であるかのように感じさせる表現

  • 指示・命令的な表現
  • 権利や権限を示すような用語
  • 職員間の誤った敬語や敬称

・患者自身でやらせる

・指示に従わない

・監視する。要監視。外泊が許可される。外泊許可が下りる。

・〇〇先生。看護師さん。上申する。 など

患者に医師や看護師の言う通りにさせるという意識を持ってしまうと、こうした表現を使ってしまうので注意が必要です。

④造語・略語・不適切な記号の使用、施設内基準にない表現

自分はわかるけど、他の人が見た時わからないような略語はやめましょう。

施設内基準に沿って、誰が見てもわかる記録を心がけましょう。

まとめ

看護記録の書き方について参考にした書籍がこちらです。

これらの書籍では、看護記録とは基本的にどのように書くべきかや、不適切になりやすい表現方法がまとめられています。

また、不適切な書き方から適切な書き方への例がいろんなパターンで書いてあるためわかりやすいです。

SOAPなどの日々の記録の書き方だけでなく、カンファレンスの要約の例や退院サマリーの例などものっています。

そのため、看護学生や看護師1年目などで目を通しておけば、記録の書き方は上達するかと思います。

教員や先輩看護師に記録の指導はされるけど、いまいち改善のイメージつかない方におすすめです。